JIPPOの福島第一原発事故被災地支援としてこの夏、南相馬の小中学生約100名を県外3か所に招いて野外活動を楽しんでもらう企画を実施しました。
南相馬市内のPTAらでつくる「南相馬こどものつばさ」と連携し、赤い羽根中央募金会等から資金協力を得て無事活動を終えることができました。
2011年3月11日、東日本を襲った巨大地震と大津波の被害は想像を絶するものだった。JIPPOとして何が出来るか、中村尚司専務理事を中心に、京都市幹部、龍谷大学NPOボランティアセンターらの意見を聴き、自治体の関西広域連合では、京都と福島の連携を図ることになったこともあり、福島県における支援活動を模索することにした。
中村専務理事は友人である長野県佐久総合病院の医師、色平哲郎氏が「日経メディカル」のブログに記した南相馬市が地震、津波、原発事故の三重苦の下にある現状を読み、4月2日、現地へ赴いた。築地本願寺からも東京教区教務所の山内政秀所長らが支援物資を持ってきてくださった。那須塩原駅から車で北上し、郡山で一泊して飯舘村、南相馬市へ入った。市役所では桜井勝延市長と面会し現況をお聴きすることもできた。
「災害救援・復興」は、JIPPOの目的の重要な柱である。まずは募金活動をはじめることにし、救援物資を送ることから手掛けた。そして長期的に避難者を受け入れる準備をしようと、京都市職員でJPPOアドバイザーの平竹耕三氏らと話し合いを進めた。長野県富士見町にある(財)京都市職員厚生会の保養所と隣接する多摩市八ヶ岳少年自然の家が避難者を受け入れる体制であることを知り、ここを拠点に家畜農家が避難できないかニーズ調査を行った。
これらと平行し、西本願寺から福島の風評被害を払拭するために物産の販売をしてほしいという依頼がJIPPOにあり、750回大遠忌の法要イベントと絡め5月から実施している。
JIPPO事務局は3度目の福島訪問で飯舘村の元村長を務めた長正増夫氏や牛農家の長谷川健一氏を訪ね、村の現状や思いをうかがった。残念ながら乳牛の放射能汚染の風評が拡大する中、酪農家の県外避難は現実のものとはならなかった。一方、福島県教育委員(前委員長)の境野米子氏と懇談し原発事故被災地での子どもたちの大変な教育環境を何とかしたいという強い思いを伺った。南相馬市教育委員会で青木紀夫教育長らからも、多くの学校が倒壊したり、避難所に転用されたりしているため比較的被災の少ない校舎で数校が統合教育を行っている現状を聴いた。
狭い教室から外へ出ようにも、運動場やプールは使えず、窓ガラスでさえ開けられない校舎も少なくない。遠足や修学旅行も行えない。保護者は子どもたちに野外で思いっきり活動できる機会を与えたいと願っているが、通常の学校運営さえままならない学校の授業や行事ではそれらを期待することができない。したがって、NPOをはじめとする外部団体と保護者が力を合せ、子どもたちの健やかな教育環境を整えていくことが求められていた。
せめて夏休みだけでも、小中学生を被災地の外へ招きたい。そのように考えJIPPOでは長野県の八ヶ岳の麓、京都府の愛宕山の麓、富山県の剣岳の麓に誘い、広々とした野原や山林で動植物の観察、夜空の天体観察に誘う企画を立てた。
長野については(財)京都市職員厚生会と(財)京都ユースサービス協会が運営を担ってくださることになった。子どもたちの宿泊に多摩市の協力を得て多摩市八ヶ岳少年自然の家の便宜供与を受けることができた。併せて地元の富士見町、(社)富士見町開発公社からも協力いただけることになった。京都での実施は西本願寺山科別院や龍谷大学がセミナーハウスを宿泊に無償提供いただき、大学職員や学生がボランティアで運営に協力してくれることになった。また富山については西本願寺から剣青少年研修センターを活用して欲しいとの申し出から実施できることになった。
一方現地での参加者取りまとめは、「南相馬こどものつばさ実行委員会」(代表:西道典/男山八幡宮宮司・南相馬PTA連絡協議会会長、後援:南相馬市PTA連絡協議会、南相馬市教育委員会)と連携し調整していただいた。
資金面では「赤い羽根 中央募金会」や「仏教NGOネットワーク」の助成金を受けることが出来た。さまざまな団体や人々のおかげで7月25日、南相馬市の子どもたちを招いた夏休みの野外活動がいよいよ始まった。
子どもたちの野外活動を応援します~長野、京都、富山で仲間と過ごす夏休み
福島原発事故の影響で野外活動が制限されている子どもたちにのびのびと屋外で活動できる環境を提供し、併せて京都の市民らと交流を図る。
南相馬市・飯舘村在住の小中学生(保護者の同伴も火)
3コース各30~40名 合計110名程度コース①長野(定員30名)
期日:2011年7月25日(月)~7月29日(金)
宿泊:多摩市八ヶ岳少年自然の家
(長野県諏訪郡富士見町立沢)
コース②京都(定員40名)
期日:2011年8月7日(日)~8月11日(木)
宿泊:京都府立ゼミナールハウス
(京都市上京区室町通下長者町通下ル近衛町38番地)
龍谷大学セミナーハウスともいき荘
(京都市右京区京北下中町鳥谷2)
浄土真宗本願寺派山科別院
(京都市山科区東野狐薮町)
コース③富山(定員40名)
期日:2011年8月19日(金)~8月23日(火)
宿泊:(財)「若人の広場」協会富山県支部 剣青少年研修センター
(富山県中新川郡伊折)野外での自然体験活動やレクリエーション、創作活動など。青少年活動の指導者が運営、サポートにあたる。福島との往復は大型バスをしよう。宿泊は男女別の相部屋。
子どもの参加(交通費、滞在費)は無料。大人は食費の一部(1日あたり1,000円)を負担。
参加の感想文を提出し、支援者に報告する。
南相馬こどものつばさ実行委員会(URL:http://www.kodomonotsubasa.com/)
特定非営利活動法人JIPPO(URL:http://jippo.or.jp)
(財)中央共同募金会、(特)仏教NGOネットワーク、多摩市教育委員会、富士見町役場、(社)富士見町開発公社、(財)京都市職員厚生会、(財)京都市ユースサービス協会、京都府立ゼミナールハウス、高宮ライディングパーク、清水寺、二条城、龍谷大学、浄土真宗本願寺派
①長野コース
2011年7月25日(月)~7月29日(金)
日程表
日 時 行 程
7/25(月)
7:00
集合
7:30
出発 2時間ごと休憩、途中サービスエリアで昼食
16:00ごろ
八ヶ岳「多摩市少年自然の家」到着。オリエンテーション
18:00
夕食。食後自己紹介ゲーム等レクリエーション、入浴
22:00
就寝
7/26(火)
7:00
起床、朝食
9:30
出発 入笠山ハイキング
16:00ころ
帰施設、休憩、入浴
18:00
夕食。食後、花火大会、入浴
22:00
就寝
7/27(水)
7:00
起床、朝食
10:00
マスつかみ、バーベキュー
14:30
「カゴメジュース工場」見学
18:00
夕食。食後、ドッジボール大会、入浴
22:00
就寝
7/28(木)
7:00
起床、朝食
10:00
富士見高原リゾートゆりの里
12:00
そば打ち体験、昼食
14:00
清里高原 清泉寮散策
18:00
夕食。食後、星座観察とナイトハイキング、入浴
22:00
就寝
7/29(金)
7:00
起床、朝食
9:00
さよなら会
10:00
出発(帰宅)。途中サービスエリアで昼食
19:00
到着、解散
<活動日誌>
7月25日 (月) 多摩市少年自然の家 曇り
南相馬を出発した小中学生のバスは、予定通り午後4時に着く。自己紹介の後、部屋割り、4班の行動組織を決め、食堂坦当などの係りを選び、それぞれの部屋に荷物を置き一休みする。夕食後、体育館で簡単なゲームをしながら、お互いが知り合える機会を作った。
7月26日 (火) 多摩市少年自然の家 曇り
7時半に朝食を取り、ミーティングのあとバスで富士見パラノマリゾートへ移動し、ゴンドラに乗って入笠山ハイキングに行く。ゴンドラを怖がる女子中学生が多い。山頂までの登りもきつすぎると文句をいいながら、頂上に着くと見晴らしの良さに喜ぶ参加者が多かった。夕食後、キャンプファイアー場で花火大会をする。小学生だけでなく中学生にも喜んでもらえた。
7月27日 (水) 多摩市少年自然の家 小雨
雨のため立場川キャンプ場へは行かず、施設内にあるバーベキュー炊飯場に養殖鱒を運んでもらう。金魚すくいの要領で鱒つかみをし、即席で焼いて食べる。午後、「カゴメジュース工場」の見学に行く。夜は体育館でドッジボール大会をした。小中学生ともに、たいへん評判が良かった。
7月28日 (木) 多摩市少年自然の家 曇り
前夜、38度の熱を出した小学生を多摩市少年自然の家の職員が町の病院に連れて行って下さる。疲れのせいということで、今日は休養してもらう。残りの参加者は「富士見高原リゾートゆりの里」へ行く。富士山や八ヶ岳の眺望を楽しめる場所へ行き、生まれて初めて富士山を見たという参加者が多く、歓声に包まれる。
昼食は「おっこと亭」へ行き、小中学生がそば打ち体験をする。夕食後は前田所長がスクリーンで星座の説明をしたのち、戸外に出て天体観測の初歩を教えてくださる。あいにく曇り空のため、惑星以外はよく見えなかった。あきらめてナイトハイキングに出かけた。
7月29日 (金)
朝食後、食堂の隣の集会室で「お別れ会」をする。参加者アンケートに記入してもらうとともに、一言ずつ感想を述べてもらう。スタッフの番が来て、澤田さんが涙声になって話せなくなる。引き継いだ大熊さんも貰い泣きになり、大粒の涙が両ほほに流れ声が出ない。それを見ていた子どもたちも涙を流し、泣きながらバスに乗り込んだ。10時15分に出発し、午後7時ちょうどに南相馬市に到着した。
① 緑の湿原を入笠山に向かってハイキング
② 入笠山山頂で
③ バーベキューで昼食
⑤ 清里牧場で記念写真
長野八ヶ岳で過ごす夏休み 参加者アンケート集計
参加人数27名
表1.男女の内訳
男性 女性
13人
14人
表2.参加者の年齢分布
小学生 中学生
保護者
9人
16人
2人
最終日にアンケート用紙を配布し、各プログラムに対し1(よくなかった)~5(よかった)の5段階評価で記入してもらった。
表3.各プログラムに対する評価の平均値
・今、福島でできない事をたくさんできて楽しかったです。3日目のゲーム大会がめちゃめちゃ楽しかったです。(13歳・女性)
・マスクをせずに、外でおもいっきり遊べて楽しかったです。ゴンドラからすごくきれいな景色が見えた。(13歳・女性)
・富士見パノラマリゾートの山登りはすごく疲れたけど楽しかった。ゆりの里のゆりがとってもきれいだった。また皆と行きたいです。(13歳・女性)
・子どもたちが放射能を気にせず、マスクをしないで外で遊べたのでよかったと思います。(保護者・女性)
・花火やそば打ち体験で友達ができてうれしかったです。富士山やアルプスを見たこともうれしかった。(10歳・女性)
・福島では原発の問題で外で遊べなかったけど、外で遊べてうれしかったです。(12歳・女性)
・とてもおもしろかった。特に花火と山登りがよかった。(14歳・男性)
②京都コース
2011年8月7日(日)~8月11日(木)
日程表
日 時 行 程
8/7(日)
6:00
出発 途中サービスエリアで昼食
18:00ごろ
京都「龍谷大学ともいき荘」到着。オリエンテーション
19:00
夕食、入浴
22:00
就寝
8/8(月)
7:00
起床、朝食
7:30
朝食、ミーティング、班分け
9:30
御所散策後、京北へ
12:30
ゼミナールハウス着、昼食
13:30
高宮ライディングパーク 乗馬体験
18:00
夕食、食後花火大会、入浴
22:00
就寝
8/9(火)
7:00
起床、朝食
9:30
美山かやぶきの里の散策
12:00
昼食、川遊び
13:00
丹波マンガン記念館とゼミナールハウスの竹細工
17:00
周山中学校ブラスバンド部の歓迎演奏会
18:00
夕食 ゼミナールハウスでバーベキュー
22:00
就寝
8/10(水)
7:00
起床、朝食
10:00
清水寺参拝と清水坂散策
12:30
昼食
13:00
西本願寺参拝、二条城見学
14:30
西本願寺山科別院 着。
18:00
夕食、さよなら会。入浴
22:00
就寝
8/11(木)
6:00
起床、朝食
8:00
出発(帰宅)、途中サービスエリアで昼食
21:30
到着、解散
<活動日誌>
8月7日 (日) ともいき荘
南相馬から12時間のバス旅行。にぎやかに過ごしながら乗り切り、6時過ぎに到着。夕食後にプログラムの簡単な説明をする。
8月8日 (月) 府立ゼミナールハウス
朝食後、龍大宗教教育部のボランティアが6名合流。自己紹介や班分けなどをする。京都御所の蛤御門近くを散策し、11時に京北へ出発する。12時半に府立ゼミナールハウスに着き、昼食を取る。高宮ライディングパーク(京北育成牧場)へ行き、ミュンヘン・オリンピックで日本代表の馬術選手だった高宮輝千代氏のご厚意により、無料で乗馬体験を楽しむ。そのあと、ウッデイ京北へ行った。
8月9日 (火) 府立ゼミナールハウス
旧山国村の藤野さんの案内で、旧美山町の茅葺の里へ行く。猛暑をしのごうと常照皇寺近くの橋の下で弁当を食べたあと、水遊びをする。午後は2グループに分かれて、丹波マンガン記念館見学と竹細工実習を交互に行う。夕食は宿泊施設内にあるBBQ会場で、焼き肉を食べた。
8月10日 (水) 本願寺山科別院
早めに出発し、ちょうど10時に清水寺に着く。龍谷大学古美術研究会の案内ボランティア6名も待っていてくれる。森清範貫主に会い、仏足石を拝見したりする。有名な舞台を見た後、土産物を買う。昼食後、西本願寺の書院を見学する。そのあと二条城へ行くが、あまりの暑さのため参加者が疲れる。庭園を見るのは省略して山科別院に移動した。夕食後、ボランティアの学生諸君が準備してくれたビンゴゲームなどを中心に「さよなら会」をする。
8月11日 (木)
8時に出発し家路に向かったが、会津若松まで来たところでバスの油圧計の故障のため代替のバスに乗り換え、午後9時半過ぎに南相馬に到着した。
① 高宮ライディングパークで乗馬体験
② 美山かやぶきの里を散策
③ 川遊びで涼を取る
④ 夜のバーベキュー
⑤ 清水寺の森貫主と記念撮影
⑥ 西本願寺を参拝
京都の歴史とのどかな自然に触れる夏休み 参加者アンケート集計参加人数34名
表1.男女の人数
男性 女性
22人
12人
表2.参加者の年齢分布
小学生 中学生
保護者
4人
26人
4人
最終日にアンケート用紙を配布し、各プログラムに対し1(よくなかった)~5(よかった)の5段階評価で記入してもらった。
表3.各プログラムに対する参加者の評価平均
・子供達が子供らしく、時間を気にする事なく外へ出て遊んでいる姿を見て、親としてうれしかったです。心からありがとうございました。(41歳・女性)
・心から感謝申し上げます。明日から、また大変な生活に戻りますが、あたり前のことがあたり前にできるようになるまで、がんばっていきたいと思います。(保護者・女性)
・初めて京都へ来て、色々な体験があってとても良かったと思います。おかげで、自分自身も少しずつ変わってきたような感じもします。とても良い体験でした。ありがとうございました。(13歳・女性)
・いろいろと楽しませてくれたので、お礼を言いたくてたまらないです。ほんとうにありがとうございます。(9歳・女性)
・ブラスバンドめちゃめちゃよかった。(14歳・男性)
③富山コース
2011年8月19日(金)~8月23日(火)
日程表
日 時 行 程
8/19(金)
7:00
出発 途中サービスエリアで昼食
15:00ごろ
剱青少年研修センター到着。オリエンテーション
18:00
夕食
19:30
食後レクリエーション プラバン工作 名札づくり、入浴
21:00
班長会議。就寝
8/20(土)
7:00
起床、体操、散策、朝食
9:00
野外活動、自然観察(指導:近畿大学薬学部 尾垣光治先生)
10:30
剱岳登山口の馬場島散策
11:30
ロックフィルダム散策
18:00
夕食
19:00
富山駅前で「とやま東日本盆踊り大会」あ
21:00
班長会議。入浴、就寝
8/21(日)
7:00
起床、体操、散策、朝食
9:00
早月川の河原で水遊び
14:00
イワナつかみ、コパルの標本づくり
18:00
夕食 バーベキュー
19:30
天体観測(解説:富山県天文学会 川口勝之先生)
21:00
班長会議、就寝
8/22(月)
7:00
起床、体操、散策、朝食
9:00
出発、池田模範堂(ムヒ)見学
12:30
富山の名物でお昼、散策
14:00
帆船海王丸パーク
16:30
帰所、休憩
18:00
夕食、反省会
21:00
班長会議、就寝
8/23(火)
7:00
起床、体操、散策、朝食
9:00
出発(帰宅)、途中サービスエリアで昼食
17:00ころ
到着、解散
<活動日誌>
8月19日 (金) 剣青少年研修センター
往路は順調に富山に入った。市街地から離れ、携帯の電波が届かないほどの山の中を進むにつれ子どもたちはやや不安気味。
3時に剣青少年研修センターに着きオリエンテーションを済ませると早速、広場でバドミントンやブランコなどを楽しむ。今回は保護者も実質的なスタッフとして加わって頂く。
夕食後に、プラバン工作、名札作りなどをした。センターの堀田所長の提唱で、一日の活動の終わりに、班長と副班長を中心にその日の反省会をする。その後、保護者を含む大人の反省会もする。今回初めての試みであり、翌日以降の進め方に有意義な会議だった。
8月20日 (土) 剣青少年研修センター 雨
曇り空だが、朝のラジオ体操と天ぷら用の野草採集までは順調に野外活動ができたが、11時ごろから雨が激しくなり、予定を変更。バスで剣登山口の馬場島、隣接する水系のロックフィルダムを訪ねたりした。屋内で集めた野草を分類したり、白玉粉で団子を作ったりした。夜は、亀井富山教区寺族青年会長が駅前での「とやま東日本盆踊り大会」に誘ってくださった。女子中学生全員と男子小学生が富山市に出かけ、相馬盆踊りに参加した。ローカルTVのインタビューを受けた中学生が、立派な返答をしていた。
8月21日 (日) 剣青少年研修センター 雨
晴れ間を見つけて、早月川へ遊びに出かけた。流れの速いところ、水河床の深いところなど、要所に大人を配置し、子どもたちにはなるべく自由に遊んでもらった。今回の野外活動で、一番楽しかったという参加者もいた。
雨がひどくなってきたので、屋内でコパル(琥珀)磨きをする。その中には、地質学時代の昆虫が閉じ込められていた標本もあった。川でのイワナ捕りは中止して、4階の浴場に養殖イワナを運び込み、手づかみしてもらった。そのあと、白玉粉の団子作りをする。夕食は、それらの食材を使って、車庫でBBQをする。長野や京都では打ち上げ花火が許可されなかったが、富山では施設の側にも歓迎された。花火のあと奇跡的に晴れ間が見えた。運よく富山県天文学会の川口さん持参の天体望遠鏡で、夏の夜の星空を見せてもらう。
8月22日 (月) 剣青少年研修センター 午後は雨
午前中の晴れ間を利用して、池田模範堂のムヒ工場の見学に行く。昼食後富山土産の買い物をしてから、射水市の帆船海王丸パークで遊ぶ。雨の中を宿舎に戻り、尾垣先生の作ってくれた紫蘇サイダーを飲んだり、河原から持ち帰った岩に寄せ書きをしたりした。夕食後、嶋倉さんと阪口さんの司会で、にぎやかなお別れパーテイをする。一人ひとりが感想を述べてくれ、反省する点が少なくなかった。最大の課題は、天候の変動への対応が不十分だったことだともいえる。
8月23日 (火)
9時に帰路につく。阿賀野川のサービスエリアで昼食を取り、5時に南相馬市鹿島区の農協前の出発点に着いた。
① 山の中を野草採集に出かける
② 食べられる野草は天ぷらに
③ 盆踊りに参加
④ 河原で水遊び
⑤ 捕まえたイワナでバーベキューも
⑥ 帆船海王丸パークで遊ぶ
富山でのびのび過ごす夏休み 参加者アンケート集計
参加人数37名
表1.男女の人数
男性 女性
19人
18人
表2.参加者の年齢分布
小学生 中学生
保護者
16人
18人
3人
最終日にアンケート用紙を配布し、各プログラムに対し1(よくなかった)~5(よかった)の5段階評価で記入してもらった。
表3.各プログラムに対する参加者の評価平均
・富山でイワナをとったり星を見たり、毎日遊べて楽しかったです。今度は京都や長野にも行きたいです。(12歳・男性)
・友達がたくさんできてうれしかったです。イワナが3匹ぐらいとれてよかったです。ヌルヌルして気持ち悪かったけどかわいい魚だと思いました。福島にもどりたくないと思いました。(10歳・女性)
・ボランティアの人がいい人で生活しやすかったです。友達も10人以上できました。今度は山へ行きたいです。また来たいです。(11歳・男性)
・子供たちの元気な姿を久しぶりに見られて、子供たちと一緒に参加できてよかったです。この機会を与えてくださり本当に感謝します。また来年もあれば、絶対に参加したいです。(保護者・女性)
・短い期間でしたが友達もできたし、とてもいい経験ができたのでよかったです。また富山に来てみたいです。(13歳・女性)
夏休みのほんの1週間足らずのプログラムでしたが、南相馬の子どもたちは久しぶりに放射能の心配から解放され、のびのびとした時間を過ごすことができたと喜んでくれました。一緒に過ごしたお母さんから「日に日に顔が明るくなっていくわが子を見ていて本当にうれしかった」という感想も聞かれたのもうれしかったです。
滞在先では中学生が歓迎のブラスバンド演奏会を開いてくれたり、盆踊り大会に誘ってくれたりと目的の一つである現地の人々との交流も随所で見られました。南相馬と京都、長野、富山の人と人との関係ができたことも大きな成果です。
親元を離れて参加した子どもたちは、自立心や仲間との協調性などを身につける機会にもなったのではないでしょうか。
課題としてはボランティアの対応姿勢に問題が見られたところもあり、事前のオリエンテーション不足が反省点です。また雨天時のプログラムに柔軟に対応できる体制を作ることも必要でした。
今回のプログラムで私たちも被災地の子どもたちが抱えている様々なストレスを肌で実感しました。
被災地の復興はこれからの将来を担う子どもたちにかかっています。この夏休みの体験は、子どもたちにとって心身のリフレッシュになっただけでなく、自分たちのことを多くの人が応援してくれているのだと知ってもらうきっかけとして、将来の行動に役立ててほしいと願っています。
今後もJIPPOとして原発被災地との関係を深めていきたいと考えています。スリランカでの海外支援も幼稚園を通じた教育支援を行っており、これまでの経験を生かし教育に関わる復興活動を微力ながら続けていきたいと思います。
JIPPOは小さなNPOですが、今回たいへん多くの皆様に温かいご協力をいただきました。この場を借りて心より御礼申し上げます。